トイレ・便器を除菌!TOTOのきれい除菌水を徹底解説

TOTOトイレ(便器)の代表的な機能「きれい除菌水」は、便器を3ヶ月掃除しなくてもキレイを保てると言われています。開発経緯や、効果、デメリットなど、「きれい除菌水」に焦点を絞って、詳しく解説します。

きれい除菌水とは

TOTOのきれい除菌水は、水道水に含まれるミネラル分を電気分解して作られる次亜塩素酸を含んだ水です。次亜塩素酸は、雑菌を分解して除菌する力を持ち、赤ちゃんの哺乳瓶の洗浄にも使われている成分です。きれい除菌水は時間が経つと水に戻るため、環境にやさしく、また、洗剤や薬品を一切使用していないので人体にも安心と言われています。分解・除菌効果のあるきれい除菌水を使って、便器ボウル表面や、ウォシュレットのノズルを自動洗浄することで、トイレのきれいを保ちます。他社にはない、TOTOの独自技術です。
「どの程度除菌できるのか?」という点ですが、(財)北里環境科学センターによる、電解した水道水と菌液を混合して除菌効果を確認する試験では、99%以上の除菌効果が見られたとのことです。また、(財)日本食品分析センターによる、電解した水道水でノズル表面全体や便器ボウル面などを洗浄する試験でも、同様に99%以上の除菌効果が見られたようです。ただし、メーカーカタログにも小さく記載がありますが、実使用での実験ではないため環境条件によっては効果が異なることと、掃除が全く不要になる訳ではありません。まれに、「きれい除菌水のトイレは、掃除が全く不要になる」と勘違いされる方もいらっしゃるようですので、ご注意ください。

なぜ、きれい除菌水が開発されたのか?

TOTOが、きれい除菌水を開発したきっかけは、ウォシュレットのノズルの汚れについてのユーザーからの不安の声にあったようです。確かに、「抗菌ノズルや、ノズルクリーニングの機能があるから清潔ですよ!」とメーカーから言われても、「ノズルでお尻を洗うんだから、跳ね返りの水や小さな汚物がノズルにかかって、結局は汚れて、不衛生なんじゃないの?」と不安になるのも無理はないかと思います。
ウォシュレット使用後に、跳ね返りの水が便座に飛び散っているのを見たことのある人も多いかと思います。便座に飛び散るということは、ノズルにも間違いなく跳ね返りの水がかかっています。そのため、誰が使ったか分からない外のトイレでは、絶対にウォシュレットを使わない、という人もいます。ちなみに私は、自宅と勤務先だけはウォシュレットを使っています。今の勤務先は従業員が少なく、使用者を特定できるため、ある意味安心感があります。以前の会社はワンフロアに100人以上いたので、その会社ではウォシュレットは使っていませんでした。
トイレメーカーからすると、「世界の中で日本のトイレが一番清潔にこだわっているのに、日本のお客様は本当に細かい・・・」と思う気持ちもあるのでしょうが、やはり、ものづくりのDNAを持つお国柄。「衛生陶器を国内で初めて作ったTOTOがやらずして、どこがやるんだ!」と言ったかどうかは知りませんが、目に見えない菌を根源から断ち、安心して使える究極の清潔トイレを目指すべく、きれい除菌水の開発に向けた取り組みが開始されました。

海外の水道水でも、きれい除菌水を作ることができる

きれい除菌水の開発経緯を知った時に、やはり「トイレはTOTO」と言われるだけのことはあるな、と思いました。汚れを研究し、排泄物の中にあるタンパク質などを食べて繁殖する菌が汚れの原因であると突き止めた上で、水で除菌する技術の採用を決定。そして、全国各地、どこの水道水を使っても安定してきれい除菌水を作れるように、浄水場が公開している水道水の成分データを約5,800ヶ所分集めて解析した上で、全国200ヶ所以上で水道水のサンプルを集めて、実際の水質解析を行ったそうです。特に、湧き水を利用した水道水は、ミネラル分が少ないために除菌水が作りにくく、また、ミネラル分が高い水道水では除菌水を作る際に石ができてしまうとのことで、研究・開発に大変苦労されたのだろうと思います。日本だけでなく、北京にトイレを持ち込んで、北京の水道水でも実験されたようです。日本の水道水の硬度が60mg/l程度であるのに対して、北京の水は360mg/lと、ミネラル分を豊富に含んでいて、その北京の水でも効果を検証できたとのことですので、軟水に該当する日本の水道水であれば、安心してきれい除菌水を利用できると思います。
ちなみに、このきれい除菌水は、「ewater+(イーウォータープラス)」という名称で、海外向けのトイレにも展開されています。日本国内向けのきれい除菌水は見るからに清潔そうな「青」と「白」を主体としたロゴなのですが、ewater+のロゴは「黒」と「白」です。黒い水滴がどうしてもキレイには見えないのですが、海外の人たちの感覚は違うのかもしれません。

きれい除菌水を活用したTOTOトイレの清潔機能

TOTOのきれい除菌水は、便器の除菌、ウォシュレットのノズルの除菌、トイレ室内の脱臭に活用されています。

「便器きれい」で、便器を除菌

「便器きれい」は、きれい除菌水で便器を除菌する機能です。「プレミスト」と「アフターミスト」があります。プレミストは、便器に近づいて座った時に、便器内に水道水のミストを自動で吹き付けます。親水性(水に馴染みやすい性質)の陶器表面に、プレミストで吹きかけられた水が付着する(水の膜ができるイメージ)ことで、用を足した時に、その水がクッションとなって排泄物が付きにくくなる、という仕組みです。そして、用を足して水で流した後に、便器内にきれい除菌水のミストを自動で吹き付けます。これがアフターミストです。次にトイレを使うまでの間に、菌が繁殖するのを防ぐため、除菌効果のあるきれい除菌水を便器表面に吹きかけておく、ということです。さらに、トイレの洗浄機能を使わない時間が約8時間になると、自動で便器内にきれい除菌水を吹き付けます。尚、プレミストの後にノズルから数秒間水が出ますが、それが正常で、故障ではありません。

使用前 プレミスト 水道水のミストを吹き付ける
使用後 アフターミスト きれい除菌水のミストを吹き付ける
約8時間未使用 きれい除菌水のミストを吹き付ける

TOTOの便器は陶器で作られていて、ボウル表面が親水性なので、水道水やきれい除菌水が陶器に付着しやすいのですが、さらにミスト状にして吹きかけることで、きれい除菌水が流れ落ちにくくするよう、工夫されています。以前TOTO社員の方のお話を伺った時に、「化粧水を液体のまま顔に塗るよりも、ミスト状にして吹きかけた方が肌に浸透するイメージがあると思います。それと同じ考えです」という説明がありました。この例え話がとてもわかりやすかったです。
その時に、「プレミストもきれい除菌水にすれば、さらにキレイになるのでは?」と質問したのですが、1回に作れる量に限りがあるため、プレミストは水道水にしているとのことでした。プレミストをきれい除菌水にしても、便器を水で洗浄したら一緒に流れてしまいますので、用を足す前のプレミストに水道水を使うのは、理にかなっていると思います。ちなみに、少量のきれい除菌水を便器ボウルの広い面積に吹き付けるために、液状ではなくミスト状としているようです。どの角度で噴射すればよいのか、最適な角度を見つけるまで、ミストの便器内の飛び散りを写真に撮って分析を繰り返した開発陣の執念、すごいですね。

この便器きれいは、TOTOが特許を取得しています(特許番号:4968635、5029930)。

便器きれいの機能は、ウォシュレットのリモコンでON/OFFの設定が可能です。ただし、約8時間未使用の場合のみ、便器きれいの動作をOFFにする(プレミストとアフターミストのみON)という設定はできません。

「ノズルきれい」で、ウォシュレットのノズルを除菌

「ノズルきれい」は、きれい除菌水でウォシュレットのノズルを除菌する機能です。用を足して便器を水で洗浄した後、約25秒後にウォシュレットのノズルが出て、ノズルの根本から出てくるきれい除菌水が、ノズルの外側と内側を洗浄します。また、便器きれいと同じく、トイレの洗浄機能を使わない時間が約8時間になると、きれい除菌水でノズルを自動洗浄しますが、この時はノズルは出てこないのでノズルカバー付近から水が出ます。
また、ウォシュレットを使う前後には、セルフクリーニング機能が働き、水道水でノズルが自動洗浄されます。

一般家庭でのモニター調査において、ノズルを掃除せずに約3ヶ月使用した実験(※)では、使用前と同じく、きれいな状態が保たれている結果が出ています。ただし、こちらもノズルの清掃が不要という訳ではありません。TOTOは、月に1回のノズル清掃を推奨しています。
(※)TOTOによる一般家庭でのモニター調査。4人家族、うち2人ウォシュレット平均2回/日使用。2011年7月1日~10月6日の間使用。

このノズルきれいも、TOTOが特許を取得しています(特許番号:5093762)。

ノズルきれいの機能は、ウォシュレットのリモコンでON/OFFの設定が可能です。ただし、約8時間未使用の場合のみ、ノズルきれいの動作をOFFにする(使用後のみON)という設定はできません。

口コミでは、「夜中の洗浄音が気になる」、「特にうるさいとは思わない」など、ノズルの洗浄音についてのコメントがいくつか見られます。洗浄音をうるさいと感じるかどうかは、個人差がかなりありますので、TOTOのショールームで実際に洗浄音を確認してみるといいかもしれません。

「においきれい」で、トイレ室内のニオイ成分を捕集・脱臭

「においきれい」は、トイレ室内の臭いをきれいにする機能です。きれい除菌水を染み込ませたフィルターで、トイレ室内のニオイ物質を捕集します。

TOTOによると、トイレの臭いは、排泄物などの「瞬間臭」の他に、時間をかけてトイレ室内にこもってしまう「継続臭」という臭いがあるそうです。瞬間臭はウォシュレットの脱臭機能や、排泄物をしっかり流すトルネード洗浄などで対処するのですが、継続臭についてはこれまで有効な対処法が無く、掃除をしても臭いが取れない、非常にやっかいな存在だったようです。この継続臭を、きれい除菌水がきれいにしてくれます。

  瞬間臭 継続臭
どのような臭いか? 排便臭などの瞬間的な臭い トイレの壁・床や便器の奥に残った尿から出る臭いが時間をかけて積み重なったもの
対処方法は? トルネード洗浄やオートパワー脱臭などの機能で臭いを解消 きれい除菌水を染み込ませたフィルターでトイレ室内の臭いを捕集

ちなみに、継続臭はTOTOが名づけた造語のようです。継続臭のニオイ物質の一つはおなじみのアンモニアで、尿のような臭いです。もう一つがトリメチルアミンという物質で、腐った魚のような臭いを発生させます。私は知らなかったのですが、昭和46年に環境省が「悪臭防止法」なる法律を制定していて、アンモニアとトリメチルアミンは特定悪臭物質に指定されています。特定悪臭物質という名前からも、非常にやっかいで臭そうな感じがします。この二つの特定悪臭物質をきれいにする「においきれい」のTOTO開発担当の方は、臭気判定士という資格をお持ちで、ニオイのプロだそうです。花粉症で鼻詰まりをして、息を吸うのも大変な私には取れない資格かとおもいきや、臭気判定士の試験は花粉の飛ばない11月。なかなか考えられてますね。

それでは、においきれいの具体的な機能についてご紹介していきます。

トイレに内蔵されている、きれい除菌水を染み込ませた除菌水フィルターが、トイレ室内の空気に含まれるアンモニアとトリメチルアミンを捕集して、きれいな空気だけを吐き出し、トイレ室内の臭いをきれいにします。トイレを使っていない時間に作動しても意味がない機能なので、トイレの1日の使用時間を学習して、よく使用する約1時間前から作動するようになっています。除菌水フィルターは1日1回、使用頻度の少ない時期に、きれい除菌水で洗浄・除菌されます。

環境省の「臭気指数規制ガイドライン」で、臭気強度の目安が下記の通り定められています。

臭気強度 臭いの内容
5 強烈な臭い
4 強い臭い
3 楽に感知できる臭い
2 なんの臭いであるかがわかる弱い臭い
1 やっと感知できる臭い
0 無臭

約10ヶ月使用して、どの程度の臭気強度になるか、というTOTOの実験によると、初期が0.5とした時に、通常通り10ヶ月使用すると臭気強度は2.5となるのですが、便器きれい・においきれい機能が搭載されたトイレでは、臭気強度はなんと1.0までしか上がらない結果となっています。10ヶ月トイレを使っても、やっと感知できる臭いで済む、というのは、なんともすごいことです。

唯一のデメリット。きれい除菌水はとても便利な機能だが、価格はちょっとお高め。

いいコトずくめのきれい除菌水ですが、価格はちょっとお高めです。TOTOタンクレストイレ「ネオレスト」、TOTOウォシュレットの最上位モデル「アプリコット」、収納一体型システムトイレ「レストパル」に搭載されています。

そして、きれい除菌水を活用した機能の内、「においきれい」はネオレストの最上位モデル(AH2W、RH2W)にしか搭載されていません。

商品名 メーカー希望小売価格(税別) 便器きれい ノズルきれい においきれい
ネオレストDH2 294,000円〜 × ×
ネオレストAH1、RH1 334,000円〜 ×
ネオレストAH2W、RH2W 379,000円〜
レストパル 267,600円〜 ×
レストパルF 390,000円〜 ×
ウォシュレット アプリコット 109,000円〜 ×

ウォシュレット アプリコットは、ウォシュレット単体となりますので、別途便器とタンクの購入が必要です。ただし、アプリコットの下位グレード(F1など)と便器、タンクを組み合わせれば、高価なネオレストでなくても、きれい除菌水が搭載されますので、便器きれいやノズルきれいを使うことができます。

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