ビルトイン食洗機と卓上食洗機のどちらを選ぶ?

食洗機には、キッチンに組み込む「ビルトイン型」と、キッチンの天板の上に置く「卓上型(据え置き型)」があります。 この記事では、ビルトイン食洗機と卓上食洗機を比較しています。

設置場所・スペース

ビルトイン食洗機は、システムキッチンの収納(キャビネット)を取り外して、空いたスペースに、食洗機専用の電源コンセント、給水管、排水管を設置し、本体を組み込んで取り付けするタイプです。食洗機本体がキッチンに収納され、電源コードや給排水管も隠れて見えないため、見た目がすっきりします。一方で、食洗機を設置した分、収納スペースが減ってしまうというデメリットもあります。

卓上食洗機は、キッチンカウンター(天板の上)に据え置きするタイプです。キッチンの蛇口に分岐水栓という金具を取り付けて、食洗機本体と分岐水栓を給水ホースで接続し、食洗機に水を流します。排水ホースはキッチンのシンク(流し台)に入れて、そのままシンクに排水させます。機種にもよりますが、卓上食洗機のサイズは、電子レンジと同じかちょっと大きいくらいなので、これがキッチンカウンターの上に乗ると、存在感はあります。電源コードや給排水ホースも見えてしまいます。ビルトイン食洗機のように収納スペースが減ることはありませんが、キッチンの大きさやシンクの位置によっては調理スペースにしか本体を置けないこともあります。

  ビルトイン食洗機 卓上食洗機
設置場所 システムキッチンに組み込み キッチンカウンターの上に据え置き
見た目


(本体がキッチンに収納され、電源コード・給排水管も見えない) 

×
(本体、電源コード、給排水ホースが見えてしまう)

収納スペース

×
(食洗機を設置した分のスペースが収納として使えなくなる)


(収納スペースは変わらない)
調理スペース
(調理スペースは変わらない)

(食洗機の設置場所によっては、調理スペースの一部が使えなくなることがある)

商品ラインナップの充実度

ビルトイン食洗機は、複数の国内メーカー・海外メーカーが多くの機種を出しています。国内メーカーは「パナソニック」「リンナイ」「三菱電機」の3社です。海外製のような大型サイズや、排気をカットした排気レスなど特徴的な機種を販売していた「ハーマン」が撤退してから、卓上食洗機と同様に市場がしぼんでいくようにも思われましたが、その後もパナソニック、リンナイから最新機種が発売されていることから、まだ下火とはなっていない印象があります。海外メーカーは「Miele」「AEG」「ASKO」「Bosch」などがあります。国内メーカーと比べると、価格が高く、販売・施工店も少ないので導入のハードルはちょっと高めですが、庫内容量60Lを超える超大容量タイプや、プレミアム感のあるデザイン、他の家庭とはめったに被らない、など国内メーカーの食洗機にはない特徴があります。

卓上食洗機は、「パナソニック」のみ。現行機種も5種類(*1)と少ないです。ファミリー向けの標準サイズが2機種、小型サイズのプチ食洗が3機種と、商品を選ぶ余地がほとんどありません。過去は、TOTO、東芝、日立、象印、三菱電機など複数メーカーから商品が出ていましたが、各社とも既に撤退しています。

  ビルトイン食洗機 卓上食洗機
メーカー
(国内3社、海外も複数あり)

×
(パナソニック1社のみ)

商品ラインナップ


(豊富) 

×
(5機種のみ(*1))

(*1)2017年1月11日時点

庫内の容量

食器がどのくらい入るのかを見てみます。食器点数や、何人分というデータは、食器の形状や入れ方によってもかなり実態と変わりますので、わかりやすい客観的なデータとして、庫内の容量(メーカーカタログ値)で比較します。

ビルトイン食洗機の場合、標準的なサイズだとおおよそ40L前後ですが、大容量の機種もあります。例えば、パナソニックのディープタイプ(深型)や、リンナイのフロントオープン(スライドさせず、前面の扉から開ける) タイプは約60Lと、標準サイズの1.5倍の容量があります。海外メーカーの食洗機だと、さらに大容量の機種もあります。

卓上食洗機の場合、標準的なサイズは2機種しかありません。パナソニックのNP-TR9が約43L、NP-TM9が約49Lです。小型サイズのプチ食洗シリーズは3機種ありますが、いずれも約24L。標準サイズの半分程度の容量となります。

庫内の容量だけを見ると、標準的なサイズでは卓上食洗機の方が、少し大きいですが、食洗機本体の形状、食器をセットするカゴの形状、食器の形状、食器の入れ方によって、食器の入る量は変わりますので、卓上食洗機の方が入るとも言い切れません。標準的なサイズであれば、ビルトイン食洗機も卓上食洗機も、庫内容量はほぼ同じと考えてよいかと思います。

40L以上の容量が必要な場合は約60Lの大容量タイプがあるビルトイン食洗機、40Lもいらないという場合は約24Lの卓上食洗機が、商品選びの候補となります。標準の40Lでよい場合は、ビルトイン食洗機と卓上食洗機のどちらでも選べます。

  ビルトイン食洗機 卓上食洗機
大容量


(60L前後)

×
(機種がない)
標準


(40L前後) 


(43L、49L)

小型

×
(機種がない)


(24L)

商品を選ぶときに、「どのサイズが最適なのだろうか?」と迷ってしまうこともあるかと思います。これはなかなか難しい問題で、たくさん食器があるからと大容量の機種を選んだとしても、使うのは友人が来た時だけで、普段は標準サイズでも大丈夫だったり、一人暮らしでも、料理が好きで、食器だけでなく調理器具も面倒だから食洗機で一緒に洗いたい、という場合は、小型サイズのプチ食洗では容量が足りなくなります。食洗機を二回回せばよいといえばよいのですが、小型だから節水という訳でもないため、水道代や電気代が余計にかかってしまいます。

そうすると、無難な選択としては標準サイズということになります。庫内容量40L前後の標準サイズのラインナップが一番多いので、メーカーとしてもそのように考えているのかもしれません。

節水・節電の性能

小型食洗機よりも大容量の食洗機の方が、水や電気を多く使うので、水道代や電気代が高くなるような気がしますが、実際の所はどうでしょうか。

「ビルトイン食洗機(大容量)」「ビルトイン食洗機(標準)」「卓上食洗機(標準)」「卓上食洗機(小型)」のそれぞれ、代表的な機種を例に挙げて、 標準使用水量と最大消費電力(メーカーカタログ値)で比較しました。一般的には、グレードが高い(価格が高い)商品の方が性能が上であることが多いので、どのカテゴリでもグレードの高い機種を選んでみました。メーカーはすべてパナソニックです。

  ビルトイン
ビルトイン
卓上 卓上
  大容量(60L) 標準(40L) 標準(43L) 小型(24L)
品番

NP-45MD7S

NP-45MS7S NP-TR9 NP-TCR3
標準使用水量

約9.0L

約8.0L 約11.0L 約9.0L
最大消費電力
(50Hz)

675W

675W 1165W 665W
価格.com最安値
(*2)

84,790円

74,730円 61,350円 43,800円

(*2)2017年1月11日時点

ほぼ同じ容量の標準サイズで、ビルトイン型(NP-45MS7S)と、卓上型(NP-TR9)を比較すると、1回あたりの標準使用水量に3.0Lの差があります。最大消費電力も、ビルトイン型の方が抑えられています。パナソニックの上位機種で比べると、ビルトイン型の方が、商品価格は少し高くなりますが、節水・節電性能も高いといえます。

工事の難易度

ビルトイン食洗機を新規で設置する場合、システムキッチンの収納キャビネットの解体にはじまり、食洗機専用の電源コンセントを設置するための電気工事、シンク下の給排水管を分岐させ、食洗機を取り付ける場所まで専用の給排水管を敷設していく給排水工事、そして食洗機本体の取付と、比較的大掛かりな工事となるため、通常は、DIY(自分で工事)ではなく、専門の工事業者に依頼することになります。

卓上食洗機を新規で設置する場合、キッチンの蛇口に分岐金具を取り付けて、食洗機本体と給水ホースで接続するのが主な作業となります。分岐金具は、蛇口のタイプによって、いろいろな種類がありますので、まずは設置されているキッチンの蛇口のタイプに合った分岐金具を探す必要があります。卓上食洗機の工事は、分岐金具の取付ができれば大よそ完了となりますが、分岐金具の取付工事(卓上食洗機の取付工事も同じ)は単価が安く、この工事だけのために見積もり依頼をしても断られるか、下見料金を取られることがほとんどです。自己責任で分岐金具を選び、DIYで取り付けるか、ちょっと高く付いても大型電気量販店や地元の電気屋さんに依頼するか、という所です。

あとは、分岐水栓付きのキッチン蛇口もTOTOやLIXIL、KVKから出てますので、分岐金具を単体で購入するのではなく、分岐水栓付きのキッチン蛇口に交換してしまう、という方法もあります。キッチンの蛇口が古い場合などは、結局いつか蛇口も交換することになりますので、この方法はオススメです。分岐金具単体の取付よりも、蛇口の交換の方が、対応している業者は多くなります。

  ビルトイン食洗機 卓上食洗機

工事の難易度

×
(電気工事、給排水工事も伴うため、自分で工事するのは難しい)


(分岐金具選びと取り付けができれば、自分で設置して工事費を浮かせることも可能)

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