ガスコンロのSiセンサー(安全装置)とは?

最新のガスコンロのバーナーには、Siセンサーが搭載されています。ひとくくりにSiセンサーと言ってもいくつかの機能に分かれ、高価なハイグレードコンロにしか搭載されていない安全機能もあります。安全なのはいいのですが、一方で、「自動で火が消える、弱くなるので不便」という声も。ここでは、Siセンサーのメリット・デメリットを中心に紹介します。

Siセンサーとは?

Siセンサーについて、ガスコンロのメーカーカタログにも色々と情報があるにはあるのですが、そもそも「Siセンサーって何なの?」という疑問に回答している所が無いように思います。例えば、国の基準では「調理油過熱防止装置」「立ち消え安全装置」の2つがバーナーに搭載されていればOKなのですが、この2つの装置がSiセンサーかというとそうでもないようです。

リンナイのガスコンロのカタログを見ると、

  • 国の基準:調理油過熱防止装置、立ち消え安全装置
  • 業界のSiセンサーコンロ:コンロ消し忘れ消火機能、グリル消し忘れ消火機能、早切れ防止装置
  • リンナイのSiセンサーコンロ:焦げ付き消火機能、揚げもの温度調節機能、炊飯機能、湯わかし機能、鍋なし検知機能

とあります。上記の装置・機能の内、どれが「Siセンサー」なのでしょうか。ちなみに、機種によっては搭載されていない機能もあります。

一般社団法人 日本ガス協会のホームページにもSiセンサーコンロのページがありました。

  • Siセンサーコンロは、3つの「S(Safety, Support, Smile)」と「intelligent」でできています。

これもカンタンに見えて、難しい表現です。特にSmile・・・。よく読むと、Siセンサーコンロが、Safety=安心機能(調理油加熱防止装置、立ち消え安全装置、消し忘れ消火機能など)と、Support=便利機能(炊飯機能、揚げもの温度調節機能など)の二つの機能で成り立っているということが分かります。このSiセンサーコンロを使って料理をすれば、思わず笑顔がこぼれる=Smile、という意味だそうです。

「温度センサーで鍋底の温度を検知し、熱くなりすぎて火事にならぬよう自動消火してくれる、揚げものをおいしく揚げ、ご飯をおいしく炊くために火加減を自動調節してくれる、そういった一連の機能の総称」といった所でしょうか。

Siセンサーと法律

火事の原因 第2位は「ガスコンロ」

Siセンサーの搭載が義務化されたのは、火事の原因として、コンロからの出火が多かったということがあります。総務省の「平成20年 消防白書」によると、平成19年の総出火件数5万4,582件のうち、ガスコンロが原因の出火は6,080件で、放火及び放火の疑い(6,558件)についで、第2位となっています。

もともとガスコンロの安全性確保は、法律で規制するのではなく、事業者による自主的な取り組みに任されていました。ただ、ガスコンロが原因の火事が多い状況を解消するには、事業者任せにするのではなく国が関与した方がよいということで、経済産業省の主導で法律が改正されました。

ガスコンロの安全基準が法律で定められる

平成20年10月より、家庭用ガスコンロについて、バーナー全口に、「調理油過熱防止装置」と「立ち消え安全装置」を搭載することが義務付けられました。対象は一般的な家庭用ガスコンロで、業務用は対象外となっています。「ガス事業法」及び「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」で規制されています。
※ちなみに、関連法には「Siセンサー」という用語は出てきません。Siセンサーは、業界で作った造語のようです。

ガスコンロはほぼ国内メーカーですが、海外メーカー品の輸入であっても、法律で定められた上記の安全基準を満たさなければ販売ができないことになっています。安全基準を満たしたコンロには、「PSTGマーク」又は「PSLPGマーク」が表示されています。

Siセンサーの各機能

Siセンサーには、いくつかの機能があります。そして、ガスコンロの機種によって搭載されている機能が異なります

法律で義務化されている機能

国内メーカー品、海外メーカー品にかかわらず、全てのガスコンロに搭載されている機能です。

調理油過熱防止装置

Siセンサーが鍋底(調理油)の温度を感知し、250℃を超えると自動で弱火になり、30分経つと自動消火する機能です。油は250℃を超えると発煙やにおいが出てきて、どんどん温度が上昇し約340〜370℃になると自然発火するそうです。この自然発火を防止する重要な安全機能となります。

立ち消え安全装置

煮こぼれや風などで火が消えた時に、自動でガスを遮断する機能です。

業界で自主的に義務化している機能

国内メーカー品のガスコンロに搭載されている機能です。海外メーカー品に搭載されているかどうかは、よくわかりません。

コンロ/グリル消し忘れ消火機能

コンロやグリルを点火した後、消し忘れた時に、自動で消火する機能です。取扱説明書を見ると、コンロは約120分後(通常使用の場合)、グリルは約15分後に自動消火する機種が多いようです。この自動消火までの時間を、短く設定変更できる機種もあります。

早切れ防止機能

鍋底が250℃になると、自動で火力を調節し、温度をキープする機能です。高温で、一定時間炒めものができる機能とのことですが、調理油過熱防止装置との機能面での違いがよくわかりません。

メーカー独自の機能

鍋なし検知機能

鍋を置かないと、点火しない機能です。また、調理中に鍋を上げると自動で火力が弱まり、鍋を元に戻すと火力が戻る機能です。

高価なハイグレード機種や、安全性をうたったガスコンロにのみ搭載されています。

高温炒め機能(センサー解除機能)

鍋ふり、炙り、圧力鍋での料理などで、約290℃の高温調理ができる機能です。

Siセンサー(調理油過熱防止装置)を一時的に解除する機能となります。ただし、完全に解除できる訳ではなく、上限温度約250℃を、約290℃に設定変更するということです。

焦げ付き消火機能

調理中に鍋底が焦げつきはじめたら、自動消火する機能です。

国・業界ともに義務化していませんが、リンナイ、ノーリツ(ハーマン)、パロマの全機種に搭載されています。

中火点火機能

強火力バーナーが中火で点火する機能です。いきなり強火で点火するのを防ぎます。

こちらも、ほぼ全ての機種に搭載されています。

Siセンサーのメリットは?

ガスコンロが原因の火事は半減

ガスコンロが原因の出火は、平成19年と平成26年を比較すると、およそ半減しています。

  • 平成19年 6,080件 → 平成26年 3,484件

法律で安全基準が規制されてから約6年で半減しています。ウチもそうですが、Siセンサーが付いていない古いガスコンロを使っている家庭もまだまだ多いかと思います。法律での規制による効果は十分に出ているのではないでしょうか。

火事のリスクを減らす

自宅が火事で焼けるのも大変ですが、さらに隣家・隣の部屋にまで被害が及ぶと悲惨です。人命はもちろんですが、大切な家、家財が焼失すると、他人への賠償責任まで負うことになります。

ガスコンロの火を消し忘れて火事を起こした場合は、「重大な過失」に該当し、賠償責任を負うことになるそうです。

失火の原因が隣家の「重大な過失」である場合を除き、損害賠償請求はできません・・・(中略)・・・なお、「重大な過失」に相当するかどうかは、個々の案件ごとに判断されます・・・(中略)・・・例)台所のガスコンロに天ぷら油の入った鍋をかけて加熱中、その場を離れて出火させた場合。
引用元:一般社団法人 日本損害保険協会 損害保険Q&A

当たり前ですが、安全面が最大のメリットと言えます。

Siセンサーは不便?

個人の方のブログを拝見すると、「Siセンサー搭載のガスコンロに交換してから不便になった!」というコメントをよく見かけます。Siセンサーが不便と感じる原因を、次の2パターンに分けてみました。

  1. 調理油過熱防止機能が不便!
  2. 鍋なし検知機能が不便!

それぞれ見ていきましょう。

調理油過熱防止機能が不便!

中華鍋やダッチオーブンで調理する際に、鍋底が250℃を超えて火が弱まってしまうので、うまく調理できない、ということのようです。高温炒め機能(センサー解除機能)で上限温度を290℃まで一時的に変更可能ですが、これでもちょっと厳しいのかもしれません。

中にはSiセンサーを改造して無効化して、強火力の調理を楽しんでいる強者もいるようです。

ただ、過去のガス機器事故の判例でも、不正改造した箇所は製造物責任法(PL法)の適用対象外となるようで、万が一の火災・事故の際にも、メーカーの責任を問えなくなる可能性があります。住宅密集地や集合住宅の場合は、火災が隣家の家財や人命に及ぶ可能性もあります。不正改造は本当に怖いです。

とはいえ、中華鍋やダッチオーブンの調理が好きな人にとっては悩ましい所ですね。

例えば、ガスコンロメーカーは、コンロ(バーナー)で、グリルの中でダッチオーブンを使う料理法を提案しています。このダッチオーブンが、とても小さいんです。グリルの中に入るサイズなので仕方がないのでしょうが、日頃からダッチオーブン料理を楽しんでいる人にとってはありえないサイズです。せっかく奮発して高いコンロを買ったのに、なんで使えないの?と、怒りがたまるのも分からなくはないです。もしかしたら少数派なのかもしれませんが、不正改造を防ぐ意味でも、ガス器具メーカーはこのような方々の声を聞いて、「中華鍋・ダッチオーブン調理モード」のような機能を付けてみてはどうでしょうか。

鍋なし検知機能が不便!

古いコンロを使っていた人が、一番違和感を感じるのは、この「鍋なし検知機能」ではないでしょうか。バーナーの真ん中にセンサーが突起しているのですが、このセンサーが沈まないと(=鍋を置かないと)点火しない機能となります。

「チャーハンを炒めていて、鍋をふると、火が弱まってしまう!」という場合、鍋がセンサーから離れるため、鍋なし検知機能が働いてコンロが自動で火力を弱めてしまうことが原因となります。「焼き網を使って炙りものをしたいのに、火がつかない!」という場合も同じです。これは、高温炒め機能(センサー解除機能)を使うことで回避できます。

鍋なし検知機能は、ハイグレード機種や、安全性をうたった二口コンロ(例.リンナイ ユーディア)にしか搭載されていない機能なので、この機能が搭載されていない機種を選ぶという方法もあります。

まとめ

Siセンサーコンロは、火事のリスクを軽減する安全面のメリットがあります。さらに、鍋底の温度を検知できるSiセンサーを活用して、自動でお米を炊ける自動炊飯機能や、10℃単位で細かく設定できる温度調節機能、自動湯沸かし機能などの便利機能を搭載している機種もあります。

一方で、中華鍋やダッチオーブン、焼き網などを使う人にとっては、うまく調理ができなかったり、できたとしても面倒だったり、というデメリットがあります。

この辺りを踏まえて、Siセンサーを搭載した最新ガスコンロに交換するか?、今の古いガスコンロをもう少し使うか?、交換する場合に鍋なし検知機能は必要か?、など検討されてみてはいかがでしょうか。

ガスコンロを交換する前に >

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