節水型トイレのメリット・デメリット

昔の機種は大で流すのに8~13Lくらいの水を必要としましたが、最新の便器は4~6Lと、半分程度の水で流せます。水道代が安くなるのはうれしいですが、以前よりも少ない水で流すため、詰まりなどが少し心配です。

昔のトイレと、最新の節水型トイレの違い

昔のトイレは大量の水で洗い流す。フチ裏の汚れも気になるところ。

20~30年前につくられたトイレは、”大”で流すと、8~12Lの大量の水がザーッと出てきて、汚物を水の量と勢いで洗い流すようなタイプが主流でした。ペットボトルで換算すると、

  • 2Lのペットボトル:4~6本分
  • 500mlのペットボトル:16~24本分

1回”大”を流すだけで、500mlのペットボトル16~24本分の水を使う。こうやって置き換えて考えてみると、どれだけ多くの水を使っているのかが分かります。

ちなみに昔の便器は、便器のフチ裏に洗浄穴があって、その穴から下方向に水が出てきます。汚れがたまりやすく、掃除もしにくいです。たまに雑巾などでフチ裏を拭くと、とんでもないことになっていたりします。

最新節水型トイレは、”大”でも4~6Lで済む。フチ無し形状が主流でお手入れ性も向上。

一方、最新の節水型トイレは、”大”で流しても、4~6Lと少ない水量で済みます。

  • 2Lのペットボトル:2~3本分
  • 500mlのペットボトル:8~12本分

ペットボトルに換算すると、これでもまだ多いような気がするのが不思議ですが、大3.8Lを切るトイレが出てきていないので、これ以上の節水というのはなかなか難しいのかもしれません。

節水型トイレの特徴としては、フチ裏の洗浄穴が無いということです。便器の左後方や側面に大きめの洗浄穴があって、そこから水が流れてきて、水が便器鉢内の周りをグルーっと何周か周りながら汚れを流していきます。

節水型の便器では、水を便器鉢内にグルーっと回して有効活用(節水)しながら汚れを洗い流す洗浄方式が採用されています。

  • TOTOのトルネード洗浄
  • LIXILのパワーストリーム洗浄
  • パナソニックのターントラップ方式、3Dツイスター水流

どれも、水がグルーっと便器の中をめぐります。

節水型トイレのメリット

「水道代節約」、「環境貢献」、「お手入れ性」の3つが挙げられます。

節水トイレによる水道代の節約効果は、意外と大きい。

先ほど挙げたように、”大”8~12Lのトイレを使っている家庭で、最新節水型トイレ(”大”4~6L)に交換すると、ざっくりと約半分ほどの水を節約できることになります。

そこで、どのくらい水道代が節約できるのかを推計してみます。

  • 「総務省統計局 平成28年度 家計調査」によると、二人以上の世帯の平均水道代は、約5,178円/月。
  • 「東京都水道局 平成24年度 一般家庭水使用目的実態調査」によると、家庭におけるトイレの使用量は、約22%。
  • 計算すると、トイレの水道代は約1,140円/月という結果に。

↓グラフにしてみました。

統計データから推計すると、1ヶ月あたりのトイレの水道代は約1,140円

使う水の量が、節水型トイレに交換することで半分になるとして、水道代の節約額を計算してみると

  水道代の節約額
1月 ▲570円
1年 ▲6,840円
10年間 ▲68,740円

こうみると、馬鹿にならない金額です。

ただ、現在使っているトイレが、大8~12Lの便器を前提とした計算なので、これより節水タイプの便器であれば節約額は減りますし、一人暮らしや、外にいることが多く、あまり家のトイレを使わない家庭でもここまでの効果は期待できないかと思います。

希少な水資源の使用量を減らすことでの環境貢献

節水型トイレというと、水道代が節約できるというメリットをアピールする業者が多いのですが、環境貢献というメリットもあります。

水も貴重な資源の一つですし、流した水も、私たちの見えない所で汚水処理が行われています。必要以上に、無駄な水を使わないという環境への配慮も大切なことといえます。

お手入れのしやすいフチ無し形状

節水型トイレに交換することで、フチ裏の洗浄穴がなくなり、汚れにくくお手入れがしやすくなるというメリットもあります。

水道代の節約ばかりがフォーカスされがちですが、清掃性アップという点も、節水型トイレの特徴として挙げられます。

フチなし便器は、清掃性・お手入れ性がアップ

節水型便器は、フチ裏に洗浄穴がない「フチなし」形状が主流。節水だけでなく、お手入れ性・清掃性もアップ(画像出典:TOTO


節水型トイレのデメリット

それでは次に、デメリットを見ていきたいと思います。

節水型トイレで気になるのは、これまでたくさんの水で洗い流していたのを、半分くらいの水で流しても大丈夫なのか?ということです。

少ない水で流して、配管やトイレが詰まってしまうと困りますね。

使用方法によっては、トイレの詰まりの原因となることも。

トイレットペーパーを大量に使ったり、大なのに小で流してしまったりしたときに、トイレが詰まることがあります。

これまでの古いトイレでは大量の水で(無理やり)流していたのを、節水型トイレでも同じように流そうとして、「あれ?流れが悪い・・・」と思ってしまうことも。

汚水の配管状況にもよる。

便器で流した汚物(汚水)が流れる配管の状況によっては、節水型トイレにして流す水の量が少なくなると、詰まりやすくなることも。

排水管の長く、勾配がゆるやかな場合だと、水の量(勢い)が足りずに流れにくい、ということです。

節水型トイレを設置して、水の流れが悪かった場合の対処法

配管は建築時の設計の問題ですし、使用方法はユーザーの問題ですから、メーカーもトイレ交換業者もどうにもしようがないのですが、節水型トイレを設置してみて、「流れが悪い、詰まりやすい」という場合は、洗浄水量を変更(例.大3.8Lを6.0Lに変更)することもできます。

※業者が節水型トイレを設置して、お客さんから流れが悪いとクレームが入ったときは、洗浄水量を変更して対処することが多いです。

(参考)アラウーノの節水性は?水道料金を試算してみた

参考までに、パナソニックのタンクレストイレ「アラウーノ」を例に、年間の水道料金を試算してみました。

パナソニック アラウーノの洗浄水量

現在、各メーカーより発売されているトイレは、大半が節水トイレです。節水トイレの洗浄水量は、大4.8~5.0L、小3.8~4.0Lあたりとなります。パナソニックの新型アラウーノ、アラウーノSⅡ、アラウーノVの洗浄水量は以下となります。

商品名 大洗浄 小洗浄
新型アラウーノ 4.8L 3.6L
アラウーノSⅡ(床排水) 5.7L 4.0L
アラウーノSⅡ(壁排水) 5.7L 4.5L
アラウーノV 4.6L 3.0L

ベーシックモデルの「アラウーノV」の節水性が最も高く、大洗浄で4.6L、小洗浄で3.0Lです。特に小洗浄の3.0Lは、特筆すべき節水性です。

次に、ハイグレードモデルの「新型アラウーノ」が続きます。大洗浄4.8L、小洗浄3.6Lは、節水トイレの中で、一般的なスペックといえます。

最後に、ミドルグレードのアラウーノSⅡです。アラウーノシリーズの中では最も新しく、2015年6月に発売されたトイレですが、大洗浄5.7L、小洗浄4.0L(床排水)/4.5L(壁排水)と、他の2機種と比べると、残念ながら節水性は劣っていると言わざるを得ません。

水を1L使った時の水道代は?

アラウーノの水道料金を試算したいのですが、そもそも、水を1L使った時の水道代はいくらなのでしょうか。調べてみた所、東京都水道局のホームページに情報がありました。

1リットル当たりの単価を0.24円とした場合の3人家族で1か月当たりの節約金額です(下水道料金及び消費税を含む。)。なお、1リットル当たりの単価については、東京都水道局平成15年度生活用水実態調査をもとに算出したものです。-東京都水道局「よくある質問」より-

平成15年度とかなり古いデータですが、他に信頼性の高いデータが見つかりませんでした。また、当時は消費税が5%なので若干値上げされているのですが、これも誤差の範囲と考え、今回は「1リットル当たりの水道代 0.24円」を使うことにしました。

年間にトイレを使う回数は?

TOTO、LIXIL(INAX)、パナソニック各社が、最新トイレの節水性(昔のトイレと比べて水道料金がいくら節約できるのか?)を試算する時に使用している前提条件が、ほぼ一緒なので、この数値を使いたいと思います。

具体的には、「大1回+小3回/人・日」という前提条件となります。より細かく試算する場合は、ウォシュレットの使用回数も踏まえる必要がありますが、計算が少し複雑になるため、今回はウォシュレットで使う水道代は試算に含めないこととします。

家族の人数別の、年間トイレ使用回数の目安を以下にまとめました。

家族構成 年間トイレ使用回数(目安)
4人 大1460回 / 小4380回
3人 大1095回 / 小3285回
2人 大730回 / 小2190回
1人 大365回 / 小1095回

数字にしてみると、結構すごい回数になります。ちなみに、4人家族でもご主人が単身赴任だったり、家に不在がちな場合などは、3人家族の回数を目安にするといいかもしれません。

パナソニック アラウーノの水道料金を試算した結果

それでは、新型アラウーノ、アラウーノSⅡ、アラウーノVの年間水道料金を試算してみます(ウォシュレットや、掃除などで使う水道代は含まれていません)。

※机上の計算となりますので、内容については一切保証できません。予めご了承の上、ご覧ください。

4人家族の場合

商品名 大洗浄 小洗浄 年間水道料金(目安)
新型アラウーノ 1681円 3784円 5465円
アラウーノSⅡ(床排水) 1997円 4204円 6201円
アラウーノSⅡ(壁排水) 1997円 4730円 6727円
アラウーノV 1611円 3153円 4764円

3人家族の場合

商品名 大洗浄 小洗浄 年間水道料金(目安)
新型アラウーノ 1261円 2838円 4093円
アラウーノSⅡ(床排水) 1497円 3153円 4650円
アラウーノSⅡ(壁排水) 1497円 3547円 5044円
アラウーノV 1208円 2365円 3573円

2人家族の場合

商品名 大洗浄 小洗浄 年間水道料金(目安)
新型アラウーノ 840円 1892円 2732円
アラウーノSⅡ(床排水) 998円 2102円 3100円
アラウーノSⅡ(壁排水) 998円 2365円 3363円
アラウーノV 805円 1576円 2381円

1人家族の場合

商品名 大洗浄 小洗浄 年間水道料金(目安)
新型アラウーノ 420円 946円 1366円
アラウーノSⅡ(床排水) 499円 1051円 1550円
アラウーノSⅡ(壁排水) 499円 1182円 1681円
アラウーノV 402円 788円 1190円

最新の節水型トイレを設置したときの、水道料金のおおよその目安にしていただけるかと思います。

まとめ:節水型トイレといっても、水道代の節約額だけで商品を選ばない

「水道代がかなり安くなるから、節水型トイレがオススメですよ!」と業者から提案されたとしても、水道代の節約額だけで商品を選ばない方がいいと思います。

お客さんの購買意欲を煽るためなのか、かなりオーバーな試算をされている業者もあり、ちょっとどうかな?と疑問に思うこともあります。

工事費も含めたトイレリフォームにかかる費用で考えると、水道代の節約額だけで費用を回収することは難しいです。

お手入れ・清掃性、デザイン、ウォシュレットの洗浄・暖房機能、便利機能(例.自動フタ開閉・自動洗浄)など、最新トイレには魅力的な所がいっぱいありますので、いろいろな視点から、ぜひじっくりと検討してみてください。

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